9月1日は「防災の日」。この日をきっかけに、9月は「防災月間」とされています。地震や台風などの自然災害が多い日本。いつ起こるかわからない「もしも」のために、日頃から防災意識を高めておくことは非常に重要です。
しかし、「防災訓練は少し堅苦しい…」「子どもにどう教えたらいいかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、「防災公園」の活用です。
防災公園は、普段は私たちが楽しめる広々とした公園でありながら、災害発生時には避難場所や防災拠点として機能する、まさに一石二鳥の施設。
この記事では、「千葉のおすすめ防災公園」を詳しくご紹介します。この秋、この記事を片手に、楽しみながら「もしも」の備えについて考えてみませんか?
そもそも「防災公園」ってどんなところ?

まず、防災公園が持つ「防災機能」について簡単にご紹介します。この記事で紹介する「防災公園」とは、かまどベンチやマンホールトイレ、備蓄倉庫などの防災設備が設置されている公園や、災害時に広域避難場所・防災拠点として指定されている大規模な公園を指します。
代表的な設備には、以下のようなものがあります。
- かまどベンチ:普段はベンチ、災害時には炊き出し用のかまどに変身。
- マンホールトイレ:マンホールの上にテントと便座を設置し、仮設トイレとして利用。
- 防災パーゴラ:日よけの藤棚が、テントを張ることで救護スペースなどに変化。
- ソーラー照明灯:停電時でも太陽光で園内を照らし、安全を確保。
- 耐震性貯水槽:地下に飲料水や生活用水を貯水。
- 防災備蓄倉庫:食料や毛布、医薬品などを保管。
これらの設備がどこにあるか知っておくだけで、いざという時の安心感が全く違います。
千葉のおすすめ防災公園5選
まずは、施設の充実度の高い千葉の3つの防災公園を紹介します!
蘇我スポーツ公園:広大な敷地と多様な機能が魅力の複合型防災拠点(千葉市)


出典:https://www.city.chiba.jp/toshi/koenryokuchi/kensetsu/sportparktopx.html
・スポーツと防災が融合した広域避難場所
・もしもの時に頼れる多様な設備と機能
千葉市中央区に位置する蘇我スポーツ公園は、約40ヘクタールにも及ぶ広大な敷地を誇る総合公園です。Jリーグ・ジェフユナイテッド市原・千葉のホームスタジアムであるフクダ電子アリーナをはじめ、テニスコート、多目的広場、スケートボードパークなど、多様なスポーツ施設が整備され、日頃から多くの市民に利用されています。日本最大の野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」(通称:ロッキン)も行われるなど、スポーツだけに限らないイベントが行われる、規模の大きな公園です。
この公園の最大の特長は、その広大な敷地と充実した施設が「防災」という観点から最大限に活用される点にあります。千葉市が指定する広域避難場所に指定されており、大規模災害発生時には、多くの被災者を受け入れ、生命と生活を守るための防災拠点としての役割を担います。
蘇我スポーツ公園には、災害時に真価を発揮する様々な防災機能が備わっています。
<非常時>
- 広大なオープンスペース: 約46ヘクタールという広大な敷地は、多数の避難者が一時的に身を寄せる場所として機能します。建物倒壊のリスクが低く、安全な空間を提供できます。
- ヘリポート: 緊急物資の輸送や重傷者の搬送を行うためのヘリポートが整備されており、陸路が寸断された場合でも外部との連携が可能です。
- 緊急車両用進入路: 災害発生時には、緊急車両がスムーズに進入できるよう、専用のルートが確保されています。
- 防災倉庫: 毛布、食料、医療品などの防災備蓄品が保管されており、避難生活をサポートするための物資が迅速に供給できる体制が整っています。
- かまどベンチ: 公園内のベンチの一部が、災害時にはかまどとして利用できる「かまどベンチ」となっています。温かい食事の提供に役立ちます。
- 貯水槽・井戸: 上水道が寸断された場合でも、生活用水や飲料水を確保できるよう、貯水槽や手押しポンプ式の井戸が複数設置されています。
- 太陽光発電設備: 災害による停電時でも、最低限の電力を供給できる太陽光発電設備が導入されており、情報収集や通信確保に貢献します。
- 非常用トイレ: 仮設トイレが設置されるスペースの確保はもちろん、一部の常設トイレも災害対応型となっており、断水時でも利用できる工夫がされています。
<平時>
- 家族でのピクニック・レクリエーション: 広々とした芝生広場は、子どもたちが自由に走り回れる絶好の場所です。もしもの時の避難経路や集合場所を家族で確認しながら、ピクニックを楽しむのも良いでしょう。
- ウォーキング・ジョギング: 広大な園路は、ウォーキングやジョギングに最適です。日頃から公園を訪れることで、いざという時の避難経路や園内の施設配置を自然と把握できます。
- 防災イベントへの参加: 定期的に開催される防災訓練や防災イベントには積極的に参加しましょう。地域住民との交流を深めながら、防災知識やスキルを習得できます。
- 地域のコミュニティ形成: 公園は、地域住民が集う場でもあります。日頃から顔見知りを作っておくことは、災害時の助け合いにおいて非常に重要です。
これらの設備は、平常時には目立たないかもしれませんが、災害時にはなくてはならない命綱となります。ぜひ一度、園内を散策しながら、どこにどんな防災設備があるのかを確認しておくことをおすすめします。
また、蘇我スポーツ公園は、スポーツを楽しむだけでなく、平常時から防災を意識した活用が可能です。スポーツ振興の拠点としつつ、災害時には防災拠点となるなど、状況に応じて柔軟に対応できる公園となっています。
<近隣施設>
施設 | 連絡先 |
千葉メディカルセンター | 043-208-5577 |
千葉市消防局 中央消防署蘇我出張所 | 043-264-1353 |
千葉中央警察署 蘇我駅前交番 | 043-266-4261 |
千葉市 中央区役所 蘇我駅前連絡所 | 043-261-4363 |
蘇我子育てリラックス館 | 043-264-1317 |
住所:〒260-0835 千葉県千葉市中央区川崎町1−20(Googleマップで見る)
TEL:043-208-5577
面積:46ヘクタール
アクセス:<電車>JR蘇我駅より徒歩約15分
駐車場:有
設備:広域消防隊の集結地、大型・中型機の離発着ヘリポート、自衛隊の待機・駐屯地、自衛隊車両の駐車スペース、バックヤード収納倉庫整備など ※P5<災害時:広域防災の拠点>参照
公式HP:https://sogasportspark.com/
大洲防災公園:河川敷の特性を活かした災害対応型公園(市川市)


出典:https://www.city.ichikawa.lg.jp/gre04/osubosai.html
・市川市の防災拠点と市民の憩いの場
・水害に強い!工夫された設備害に強い!工夫された設備
東京ドーム約10個分の広大な敷地を誇る、東葛飾地域の広域避難場所です。総合競技場、日本庭園、バラ園など見どころが満載。
市川市に位置する大洲防災公園は、江戸川放水路に隣接する広大な敷地を持つ防災公園です。河川敷という立地特性を活かし、水害対策を強く意識した設計が特徴です。普段は多目的広場や遊具、散策路が整備されており、地域住民のスポーツやレクリエーションの場として親しまれています。
市川市の地域防災計画において、主要な避難場所の一つとして位置づけられており、特に水害時における避難や物資供給の拠点として重要な役割を担います。
大洲防災公園は、その立地から水害対策に重点を置いた防災機能が充実しています。
<非常時>
- 高台型避難場所(一部): 広大な敷地の一部を周囲より一段高く造成することで、浸水リスクを低減し、水害時でも安全に避難できるスペースを確保しています。
- 防災パーゴラ(非常用電源・照明): 園内に設置されたパーゴラには、太陽光発電による非常用電源や照明が内蔵されており、停電時でも明かりや最低限の電力供給が可能です。
- 耐震性貯水槽: 大地震発生時でも破損しにくい耐震性貯水槽が設置されており、飲料水を確保できます。
- 非常用井戸(手押しポンプ): 断水時でも生活用水を確保できるよう、手押しポンプ式の井戸が複数箇所に設けられています。
- 防災倉庫: 毛布、食料、簡易トイレなどの防災備蓄品が保管されており、避難者の生活を支える物資が供給されます。
- マンホールトイレ: 災害時には下水管に直結して使用できるマンホールトイレが設置されており、衛生的な環境を保つことができます。
- かまどベンチ: 蘇我スポーツ公園と同様に、平常時はベンチとして、災害時はかまどとして利用できる設備があります。
河川に隣接する特性上、浸水リスクを考慮した高台や、非常用電源の確保など、地域特有の災害リスクに対応した設備が充実しているのが大きな特徴です。
また、大洲防災公園は、江戸川放水路の豊かな自然を感じながら、防災について考えることができる場所です。
<平時>
- ウォーキング・サイクリング: 広々とした河川敷の散策路は、ウォーキングやサイクリングに最適です。心地よい風を感じながら、もしもの時の避難経路や周辺地域の安全性を確認しましょう。
- 多目的広場でのスポーツ: サッカーや野球など、様々なスポーツが楽しめる多目的広場は、地域住民の健康増進に貢献します。
- 水辺の自然観察: 河川敷ならではの野鳥や植物の観察も楽しめます。自然災害は自然と密接に関わっていることを再認識する良い機会にもなります。
- 防災訓練への参加: 市川市が主催する防災訓練が定期的に開催されています。実際に公園の防災設備に触れ、使い方を学ぶことで、いざという時の行動力を高めることができます。
<隣接施設>
施設 | 連絡先 |
急病診療所 | 047-377-1222 |
休日急病等歯科診療所 | 047-377-8888 |
地域ケアシステム市川第二 | 047-376-8343 |
大洲在宅介護支援センター | 047-320-3105 |
いちかわファミリー・サポート・センター | 047-377-5503 |
大洲デイサービスセンター | 047-300-8115 |
西消防署大洲出張所 | 047-376-0119 |
住所:〒272-0032 市川市大洲1-18(Googleマップで見る)
TEL:047-712-6367(市川市 街づくり部 公園緑地課)
開設面積:2.8ヘクタール
アクセス:<バス>JR総武線市川駅南口から徒歩約20分
JR総武線市川駅南口から「本八幡駅」行きバス「大洲防災公園」下車
駐車場:有(25台・有料)
設備:車いす対応トイレあり、野外卓、炊事場あり、火気使用(バーベキュー)可、多目的広場(ヘリポートとして活用可能)
管理事務所兼備蓄倉庫(延べ床面積526㎡)、耐震性飲料用貯水槽(100t)、防火水槽(40t・2基)、自家発電機(1基)風力、太陽光発電装置付照明灯(5基)、防火樹林帯(幅10~15m)、防火サイン
公式HP:https://www.city.ichikawa.lg.jp/gre04/osubosai.html
広尾防災公園:地域密着型のコンパクトながら多機能な防災拠点(市川市)

出典:https://www.city.ichikawa.lg.jp/gre04/kenkounohiroba.html

出典:https://www.city.ichikawa.lg.jp/gyo07/1112000001.html
・市川市の地域防災を支える身近な存在
・コンパクトながら充実した備え
・地域コミュニティの醸成と防災学習
市川市の広尾防災公園は、地域に密着した形で防災機能を備えた公園です。蘇我スポーツ公園や大洲防災公園のような広域避難場所ではありませんが、地域の避難所や一時的な集合場所としての役割を担い、特に地域住民の「自助」「共助」を支える重要な拠点となっています。
比較的小規模ながらも、都市公園としての機能と防災機能をバランス良く兼ね備え、普段は子どもたちの遊び場や地域住民の交流の場として利用されています。
広尾防災公園は、その規模からは想像できないほど多様な防災機能を有しています。
<非常時>
- 防災倉庫: 地域の避難生活を支えるための食料、毛布、簡易トイレなどの備蓄品が保管されています。
- 非常用井戸: 断水時に生活用水や飲料水を確保できる井戸が設置されています。
- かまどベンチ: 災害時には温かい食事を提供できるかまどとして利用できるベンチです。
- ソーラー式照明: 災害による停電時でも園路の安全を確保できるよう、太陽光発電を利用した照明が設置されています。
- 情報掲示板: 災害時には避難情報や生活情報を伝達するための掲示板として活用されます。
- 広場スペース: 一時的な避難場所や物資集積場所として利用できるオープンスペースが確保されています。
地域密着型の公園であるため、住民が日頃から利用し、防災設備の位置や使い方を把握しやすいという利点があります。
広尾防災公園は、地域住民の生活に溶け込みながら、防災意識を高めることができる場所です。
<通常>
- 子どもたちの遊び場: 遊具が整備されており、子どもたちが安心して遊べる場所です。遊びを通して、公園が持つ防災の役割を親子で学ぶことができます。
- 地域イベントの開催: 町内会のお祭りや地域の交流イベントなど、様々な催しに利用されています。日頃から地域住民が集い、顔見知りになることは、災害時の「共助」の基盤となります。
- ウォーキング・休憩場所: 公園内の散策路を歩いたり、ベンチで休憩したりと、日常の憩いの場として利用できます。
- 自主防災訓練への参加: 地域単位で開催される自主防災訓練には積極的に参加し、地域全体の防災力向上に貢献しましょう。
<近隣施設>
施設 | 連絡先 |
市川市消防局 南消防署広尾出張所 | 047-306-0119 |
行徳警察署 今井橋交番 | 047-357-1313 |
公益社団法人地域医療振興協会 東京ベイ・浦安市川医療センター | 047-351-3101 |
住所:〒272-0146 千葉県市川市広尾2-3-2(Googleマップで見る)
TEL:047-359-0155
面積:約3.7ヘクタール
アクセス:<徒歩>東西線「南行徳駅」より23分
<バス>新京成電鉄・東葉高速鉄道「北習志野駅」~「広尾」下車すぐ
駐車場:有(41台)
設備:避難広場、物資集積所、緊急用ヘリポート、耐震性飲料用貯水槽(地下埋設)(避難者の3日分相当(約120立方メートル)飲料水確保)、防火水槽(地下埋設)(3か所)、雨水貯留槽(地下埋設)(3か所)、非常用トイレ(地下埋設)、非常用自家発電設備
公式HP:https://www.city.ichikawa.lg.jp/gyo07/1112000001.html
【まとめ】9月の防災月間を機に、地域の防災公園を再認識しよう!

この記事では、千葉県内の主要な防災公園である「蘇我スポーツ公園」「大洲防災公園」「広尾防災公園」の3箇所を詳しくご紹介しました。
公園名 | 主な特徴 | 主要な防災機能 | 平常時の活用術 |
蘇我スポーツ公園 | 広大な敷地を持つ総合公園、広域避難場所 | ヘリポート、防災倉庫、かまどベンチ、貯水槽 | スポーツ、ピクニック、防災イベントへの参加 |
大洲防災公園 | 河川敷に隣接、水害対策を強化、市川市の拠点 | 高台型避難場所、防災パーゴラ、耐震性貯水槽、マンホールトイレ | ウォーキング、サイクリング、自然観察、防災訓練への参加 |
広尾防災公園 | 地域密着型、コンパクトながら多機能、市川市の地域防災 | 防災倉庫、非常用井戸、かまどベンチ、ソーラー式照明 | 子どもたちの遊び場、地域イベント、自主防災訓練への参加 |
これらの公園は、平常時には私たちの生活を豊かにするレクリエーションの場でありながら、もしもの時には私たちを守るための重要な拠点となります。特に9月の防災月間は、これらの公園の重要性を再認識し、ご家族や地域で防災について話し合う絶好の機会です。
今すぐできることは?
「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、事前の準備と意識が、私たち自身と大切な人を守ることに繋がります。ぜひこの機会に、地域の防災公園を訪れ、防災について考え、行動するきっかけにしてください。
- 最寄りの防災公園を確認する: あなたの自宅や職場から最も近い防災公園はどこですか?
- 公園の防災設備をチェックする: 園内を散策し、かまどベンチや防災倉庫などの場所を確認しておきましょう。
- 避難経路を家族と共有する: 自宅から防災公園までの安全な避難経路を実際に歩いて確認し、家族と共有しましょう。
- 地域の防災イベントに参加する: 防災訓練やイベントに参加し、防災知識とスキルを身につけましょう。
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