たった5分のケアが、日本を動かす。目の前の“ありがとう”だけじゃない、介護のやりがい

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新卒で介護の世界に飛び込み、20年以上にわたって経験を積んできた川端さん。現在はその豊富な実績を活かして本社の組織開発課で課長を務め、社員研修などを担当しています。今回はそんな“介護のプロ”である川端さんに、介護職のやりがいや、ドットラインという職場の魅力についてお話を伺いました。

元・医療 / 介護領域 フィールドマネージャー(現・組織開発課 課長) 川端 文悟

新卒で介護施設に入職し、7年間介護職員として現場経験を積んだ後、相談員として勤務。その後、先輩からの誘いをきっかけに株式会社GFSへ転職し、「三和の里」の施設長を務める。2020年にM&Aを経てドットラインへ。現在は組織開発課 課長として、現場で培った知識と経験をもとに社員研修の講師などを担当している。

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原点は「困っている人を助けたい」という思い。介護職から教育の現場へ

– 川端さんが介護の道を志したきっかけは?

高校3年生のとき、「将来は福祉の仕事で生きていこう」と決め、福祉系の学校に進学しました。今思えば少し単純だったかもしれませんが、当時の私は「仕事には、“モノ”を相手にする仕事と、“人”を相手にする仕事がある」と考えていて。そして、私は昔から人と関わることが好きだったので、“人”を相手にする仕事を選びました。

そのうえで「どんなふうに人と関わる仕事がしたいか」を考えたときに、「困っている人を助ける仕事がしたい」という想いに行きつきました。では、今の日本、そしてこれから先の日本で、いちばん困っているのはどんな人だろう?と考えたとき、高齢化が進む社会の中で、“高齢者”の存在が真っ先に思い浮かびました。

「これからの日本で、もっともサポートが必要になるのは高齢者だ」と感じ、高齢者福祉の道に進むことを決意しました。

– これまでのキャリアについてお聞かせください

学校を卒業して就職する際に、私は「地元の介護施設で働きたい」と考えていました。まずは知らない土地ではなく、自分が生まれ育った地域の“困っている人たち”の役に立ちたいという思いがあったからです。そんな中、学校長の紹介で、地元で最も歴史のある老人ホームに就職することができました。

そこではまず7年間、介護職員として現場でのケアに携わりました。その後は相談員として、利用者様のご家族対応や、病院との入退院の調整など、外部との連携を中心とした業務を担当しました。新しい施設の立ち上げにも関わり、法人内での研修や初任者研修の講師など、教育にも携わるようになりました。

その後、以前の職場でお世話になった先輩から声をかけてもらい、株式会社GFSへ転職。「三和の里」で施設長を務めることになりました。そして2020年、M&Aによってドットライングループに加わり、2023年12月には「社員研修や教育により力を入れていきたい」という会社の方針のもと、京葉介護福祉専門学校の学校長と組織開発課の課長を兼任する形で異動しました。

たった5分のケアが、日本を動かす。――仕事の意味が変わった瞬間

– 川端さんが考える介護職の魅力は?

27歳のとき、ふと気づいたんです。大げさじゃなく、「介護って、日本を動かしてるな」って。

もちろんそれまでも、目の前の利用者様に「ありがとう」と言っていただけるのが嬉しくて、日々のやりがいになっていました。でもあるとき、面会に来られたご家族が、利用者様が清潔で安全な環境で楽しそうに暮らしている姿を見て、本当に安心した表情で「ありがとうございます」と感謝してくださったんです。そういった体験を重ねるうちに、「ああ、この仕事は目の前の人のケアだけじゃないんだな」と思うようになりました。

面会に来たご家族にも、それぞれ家庭があって、その先にまたご家族がいて、みんなきっと安心している。そして、ご家族が介護の負担から解放されて職場に戻れるようになったら、その職場の同僚も助かる。その会社の取引先にも影響がある。――そう考えていくと、自分がやっているケアが、めぐりめぐって社会全体を支えているんじゃないかって、本気で思ったんです。

「自分のたった5分、10分のケアが、世界中の誰かの笑顔につながってるんだ」と気づいたとき、鳥肌が立ちました。その瞬間から、仕事への気持ちがガラッと変わったんです。もう、ギアが3段階くらい一気に上がった感覚です。もうルンルンで入浴介助していました(笑)

介護の仕事は「きつい」「大変そう」と思われがちです。でも、私は介護に携わって24年になりますが、一度もつらいと思ったことはありません。本当に、自分にとっては天職だと感じています。

– 現場で働かれている時の印象的なエピソードを教えてください。

一番印象に残っているのは、利用者様主導の鍋パーティーを開催したときのことです。ワンフロア30名ほどの施設で、自力で歩ける方は1人か2人しかいないような環境でしたが、料理はすべて利用者様にお任せしました。

実はその背景に、ある出来事がありました。当時、上司から言われたんです。「介護って“できることを減らす仕事”だよね」って。本来、介護の目的は“自立支援”なんですよね。つまり「できる限り本人の力で自立した生活ができるようにケアすること」なんですが、現実には、全部やってあげたほうが早いし安全だし、効率もいい。でもそれって、本当にその人のためになるのか?と疑問に感じていたんです。

ちょうど私が主任になった頃でもあったので、「じゃあ真逆のことをやってみよう」と思って、栄養士さんや看護師さんを巻き込んで、鍋パーティーを企画しました。

料理の準備が始まると、ある利用者様の姿にハッとさせられました。その方は、歩くこともトイレに行くこともひとりではできない状態で、ご家族のことさえ覚えていないような状況だったんです。でも、包丁を持った瞬間、目つきがガラッと変わって。迷いのない手つきで、野菜をきれいに切り始めたんです。味見したり、お米を研いだりする手つきも本当に素晴らしかったんですよ。

そのときに改めて気づいたんです。「できないこと」にばかり目を向けるのではなく、「できること」にもっと目を向けるべきだと。たとえ新しく何かができるようになるわけじゃなくても、今できることを“これ以上できなくさせないためにはどう支援すればいいか”という視点が大事なんだと。この鍋パーティーは、私にとってご利用者様の可能性に気づかされる、すごく大きな経験になりました。

最大の魅力はワンストップサービス。困っている人を取りこぼさずに救える仕組み

– ドットラインは他の法人や企業と比べてどういうところが魅力だと思いますか?

一番はやっぱり「ワンストップサービス」があることですね。これは本当にすごいことで、ドットラインの最大の強みだと思っています。

実は、以前老人ホームで働いていた頃にとてもつらかったのが、「受け入れられない人がいる」という現実でした。たとえば、医療的なケアが24時間365日必要な方が相談にいらっしゃっても、「うちでは対応できません、他を探してください」と言わざるを得ないんです。

でも、考えてみてください。介護施設に相談に来られる利用者様やご家族って、もうすでに「ものすごく困っている」状態なんです。お腹がすいたからファミレスに行くとか、車が欲しいからディーラーに行くとか、そういうレベルじゃない。命に関わるような、切実な問題を抱えて相談に来ているんです。そこで「無理です」って言われたときの落胆って、もう計り知れないですよね。

もっとつらいのは、何年も利用してくださっていた利用者さんが、医療依存度が高くなったことで「これ以上はご利用いただけません」と、お断りせざるを得ない時です。ご家族から「この施設で最後まで看てもらえると思っていた」と言われたり、利用者様に「また来月も通えると思っていたのに」と悲しまれたり……。お別れを告げる瞬間は、本当に苦しいです。「追い出す」と言うと言葉は強いですが、どうしても、いつかお別れをしなければならない。

でも、ドットラインにはそれがないんです。医療依存度が高くなったらナーシングホームや訪問看護、看護小規模多機能といったサービスがありますし、たとえば年齢が若くて障がいのある方がご相談に来られたとしても、「うちは対象じゃありません」ではなく、グループ内のどこかの事業に必ずつなげることができる。どんな相談でも、ドットラインの中に受け皿があるんです。

これは本当に他にはない、大きな魅力です。ご家族や利用者様にとって、「ドットラインに相談すればきっとなんとかしてくれる」という安心感を提供できていると思っています。他の企業や法人でこれができるところがあるかと言われたら……正直、思い浮かばないです。私自身も、「この会社にいれば誰かの“困った”を、取りこぼさずに受け止められる」と思えるからこそ、自信と誇りを持って働けています。

– 学生さんに向けてメッセージをお願いします!

介護って、ただ人のお世話をするだけじゃありません。人生の大先輩から学べることが本当にたくさんあって、自分自身の成長も感じられる、奥深くてやりがいのある仕事です。この仕事を選んで後悔することは、きっとないと思います。

知識や経験がないことを不安に思う方もいるかもしれませんが、まったく心配いりません。しっかり準備期間がありますし、現場に出てからも、先輩からマンツーマンで教えてもらえる期間が設けられています。新卒の間だけでなく、2年目・3年目以降も継続して学べる研修制度も整っていて、成長し続けられる環境がしっかりと用意されています。

私自身の現場経験をもとに、研修を通してお伝えできることもたくさんあります。介護の楽しさや魅力は、私が責任を持ってお伝えしますので、ぜひ安心して飛び込んできてくださいね!

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