大学時代に垣本社長の後輩だったというご縁から、ドットラインに入社した本多さん。現在は「ドットジュニア(児童発達支援・放課後等デイサービス)」の事業責任者として活躍されています。今回は、本多さんのこれまでのキャリアや現場での経験、そして事業責任者として描くドットジュニアのこれからについてお話を伺いました。
理想と現実のギャップを乗り越え、再び福祉の道へ。

– 医療・福祉の道を目指すことになったきっかけは何ですか?
高校3年生のとき、進路を決めるうえで「なんとなく」で学部を選ぶのは嫌だったんです。せっかく大学に進学するなら何か専門的な知識を身につけたいと思い、「福祉の東大」とも呼ばれる日本社会事業大学への進学を決めました。
福祉の道に進もうと考えたのは、父の影響が大きかったと思います。幼い頃から、衣食住に不自由がある方に対して、当然のように食事を提供したり、自立のサポートをする姿を見て育ちました。そんな父の行動を見て、「困っている人の力になりたい」という思いが自然と芽生えていったんです。
– これまでのご経歴を教えてください。
大学で学んだ知識を活かそうと、新卒で医療・福祉業界に特化した人材系企業に入社しました。
現場経験を積むために、最初は特別養護老人ホームに配属されたのですが、そこで感じたのは強い“閉塞感”でした。職員の中にはネガティブな発言をする人も多く、現状を良くしようという意識が感じられませんでした。他の施設に配属された同期に話を聞いても、どこも似たような雰囲気だと言っていて、自分の頑張りで職場を変えていける仕組みや、成長の伸びしろがないように思えたんです。
「困っている人を笑顔にしたい」という理想や前向きなイメージを持って福祉の世界に飛び込みましたが、現実には一人ではどうにもならない壁が多く、結局その会社は2年で退職しました。
その後はカレー屋の店長、バーの店長など様々な職種を通じて人と関わり、マネジメントについて学びました。飲食業界は楽しかったしやりがいもありましたが、「自分の人生をかけることのできる仕事か」と問われたら、心のどこかでそうじゃない気もしていたんです。
そんな時、大学時代のサークルの先輩だった垣本社長から「児童発達支援・放課後等デイサービス事業を立ち上げるから、一緒にやらないか」と声をかけていただきました。
実はその前から、社長はちょこちょこ私が働いていたカレー屋やバーに遊びに来てくれていて。「ドットラインという会社を立ち上げて、訪問介護を始めた」とか、「利用者様のニーズに答えるために訪問看護も立ち上げようと思ってる」とか、会うたびに話がどんどんアップデートされていていくのを興味深く聞いていました。そこには自分がかつて辞めた福祉業界の、あの閉鎖的で諦めに近い雰囲気とは真逆の、すごく前向きで挑戦的なビジョンがありました。
そうして、「もう一度、やりたかった福祉に挑戦してみよう」と考え、ドットラインへの入社を決意しました。
入社後は児童発達支援・放課後等デイサービス事業の立ち上げから始まり、企業主導型保育園・就労継続支援B型・就労移行支援・自立訓練事業の立ち上げ、障がい者グループホームの事業責任者などを経験し、現在は「ドットジュニア(児童発達支援・放課後等デイサービス)」の事業責任者という立場で働いています。
卒業後も続く支援の輪。ドットジュニアで実現したワンストップサービス

– 現場で働かれていた際に、特に印象的に残っているエピソードはありますか?
ドットジュニアを一番最初にご契約いただいたお子様については、今でも強く印象に残っています。当時中学校1年生で、特別支援学校に通うお子様でした。
その子にはてんかんの発作があり、突然倒れてしまう可能性があるため、常に付き添いが必要で、ヘルメットの着用も欠かせません。対応に配慮が必要なので、どの会社の放デイでもなかなか気持ちよく受け入れてもらえなかったそうです。結果的にその子にとっては安心できる居場所にはならず、利用を開始しても長く続かない、結局おうちにいるしかない。そのため、お母様の仕事にも制限がかかっている状況でした。
そんな中での利用開始だったため、その子が心の底から楽しめる内容として「プール活動」に参加してもらったんです。もちろん、その子には職員が一人つきっきりになるなど工夫が必要でしたが、プールで思いきり楽しんでいる様子を見て、「本当にやってよかった」と感じました。
中高生になると、体も大きくなって更衣室も男女別になるため、お母様一人でプールに連れて行くのは難しいんですよね。だからこそ、ドットジュニアでそれを実現できたことで、その子との信頼関係を構築できただけでなく、お母様にもとても喜んでいただけました。
最初は週1で利用を始めて、その後ご本人の希望で回数を週3に増やし、中学1年生から高校卒業まで、継続してご利用いただいていました。そして今は、当社の別事業である「ドットステイ(医療多機能型生活介護)」に通っています。
特別支援学校に通うお子さんのご家族って、ほとんど例外なく「卒業後の進路はどうしよう」と早い段階から悩まれるんです。もし放デイしか運営していない企業だったら、卒業後に提供できる選択肢がなく、支援がそこで終わってしまいます。しかし、ドットラインではワンストップでサービスを提供しているため、スムーズに「『ドットステイ(医療多機能型生活介護)』がありますよ」とご提案できました。
どの放デイでもなかなか続かなかったお子さんが、ドットジュニアには継続して通ってくれたこと。そして「これからもずっとこの会社のサービスを利用したい」と思っていただけて、それを実現できるワンストップサービスの環境があること。まさに“地域の「困った」を「ありがとう」に変える”、ドットラインの理念を体現できたケースだな、と感じています。
– ドットジュニアで働く魅力は、他の法人や企業と比べてどんなところにあると感じますか?
「この子のために、今できる最善のことは何か?」を考え、実行できる。そんな本質的な支援ができる環境が、ドットジュニアの大きな魅力です。
ドットジュニアは、現在33教室を展開しています。規模が大きいとその分豊富な事例や現場の知見に触れることができ、学びも多いです。もちろん、さらに多くの教室を持つ全国規模の大手企業もありますが、全国的な拡大が前提になると、決められた教材やテンプレートの中で、形式的で無難な支援となっている事業所も少なくないと感じます。
一方でドットジュニアは、最初から拡大を目的としていたわけではありません。地域の「困った」に丁寧に向き合い、解決することを積み重ねてきた結果として、自然と現在の規模に成長したんです。決まった仕組み通りではなく、その子、そのご家庭に合った支援を考え、形にしていく。そんな現場だからこそ、本当に困っている人の悩みに向き合い、解決に導くやりがいを感じながら、「ニーズをくみ取る力」「解決策を考える力」「実践する力」を身につけることができます。
さらに、ドットジュニアを運営するドットラインは、医療・福祉全体にわたって幅広い事業を展開しているため、事業間の連携による支援も可能です。
たとえば、言葉の発達に課題があるお子様に対して、「ドットライフ(訪問看護・リハビリ)」で言語聴覚士によるリハビリを2週間に1回実施し、あわせてドットジュニアで週2〜3回の支援を行うといった、分野を横断した連携支援も実際に行っています。事業の枠組みを超えて、お子様にとって最適な支援を提供することができる環境が整っています。
お子様の成長に寄り添いながら、自分自身も成長していきたい。目の前のお子様・ご家族の悩みに対して、枠にとらわれず本質的に向き合いたい。そんな想いを持つ方にとって、ドットジュニアはきっと最適なスタートの場になるはずです。
目指すはさらなる拡大と地域のサービスの質の底上げ。「ただスキルを身につける」だけじゃない、ワクワクを引き出す支援

– ドットジュニアの今後の展望を教えてください。
ドットジュニアでは、今後も「地域密着」を大切にしながら拠点展開を進めていきます。今年中に開所予定の花見川教室がオープンすれば、千葉市内の送迎カバー率は100%に到達します。今後は船橋市や習志野市といった周辺エリアにも拠点を広げ、より多くのニーズに応えられる体制を整えていきたいと考えています。
また、地域によっては児童発達支援・放課後等デイサービスの数が限られており、「他に行ける場所がないから、仕方なく通っている」といった声を耳にすることもあります。そうした地域に私たちがワクワクするサービスを届けることで、他の事業者にもよい刺激をもたらし、結果として地域全体のサービス水準の底上げにつなげていきたいと考えています。
– 最後に、就職活動中の学生に向けてメッセージをお願いします!
皆さんも子どものころ、「決められたことをただ学ぶだけ」って、あまり面白くなかったのではないでしょうか。黒板に向かって座り、言われたことを覚えるよりも、実験のように予想外の結果が返ってくる体験や、自分の成長が目に見えてわかる瞬間、そしてそれを仲間と一緒に喜べる環境。そんな時間のほうが、ずっと楽しくて印象に残っているのではないかと思います。
ドットジュニアで目指しているのは、まさにそういう体験をお子様に届けることです。「ソーシャルスキルを身につける」ことは療育の目的の1つですが、私たちが本当に大事にしているのは、その“身につけ方”です。ただやり方を教えるのではなく、楽しい気持ちやワクワクする気持ちを引き出し、お子様の伸びしろを広げながら、自然と成長していけるように支援していくこと。様々な体験価値を通して、成長の過程そのものが有意義な時間となり、「自分の人生に誇りや幸福感を持って生きていける子」になってほしいんです。
それって、すごく面白くて、やりがいのあることだと思いませんか?もしそんな想いに共感していただけたなら、ぜひ一緒に価値ある時間を作りましょう。ドットジュニアでお待ちしています!