利用者も支援員も、自分に合った働き方を。ドットラインが目指す就労継続支援のカタチ

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身体や精神、知性に障がいを持つ方の就労継続支援をおこなう「ゆうきのまち」で働く石井さん。利用者さんの仕事や生活の悩みを一緒に考え、その人らしい人生を送れるような支援を届けたいと願って支援に励んでいます。

 前職で就労継続支援A型を経験した石井さんは、自分に合った働き方を求めてドットラインに転職、就労継続支援B型の相談支援員として働く道を選びました。転職してみて、「ドットラインはスタッフも利用者さんも働きやすいようになっている」と石井さんは語ります。

 今回のインタビューでは、A型とB型の支援の違いを現場の視点でご説明いただきながら、実際の職場環境について率直な意見をお聞かせいただきました。

ゆうきのまち 本千葉事業所 支援員 石井麻美

就労継続支援A型から就労継続支援B型の相談支援員へ

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母の仕事に親しみを感じて相談支援員の道へ

- 石井さんは前職で就労継続支援A型を経験されたと伺いました。どのようなきっかけがあったのでしょうか?

 最初、大学卒業後は動物看護の仕事をしていました。しかし、命に関わる手術に立ち会うのが苦しくなり、転職を考えるようになりました。その時に就労支援の仕事を考えたのは、母が相談支援員として働いていたからでした。幼い頃から母の職場に遊びに行っていたこともあって身近に感じていたので、私もこの道に進もうと思いました。

 いざ転職する時は、就労継続支援のA型とB型どちらにしようか迷いました。母に相談したところ、「A型の方が障がいの程度が軽い人が多いから始めやすいよ」と勧められたので、まずは就労継続支援A型で働いてみることにしました。

 実際に働くと、相談支援員はとてもやりがいのある仕事でした。私は人のお世話をするのが好きな性格で、困っている人がいると手を差し伸べたくなります。働くことに難しさを感じている人の自立や成長を手助けできることが、とても嬉しかったです。

就職して感じた、労働環境やルールの大切さと、自分の関心に合った働き方

- やりがいや親しみを感じていたのに転職されたのはなぜでしょうか?

 父が末期癌を患ったことがきっかけでした。母が病院に行く付き添いで仕事を早退しなければならないことが増え、会社から「仕事を何度も抜けるなら辞めてほしい」と言われました。ただ、あくまでそれはきっかけにすぎず、以前から転職は考えていました。職場環境があまり整っていなかったからです。

 具体的にいうと、管理体制の不備です。まず、残業をしなければいけない状況が多々ありました。仕事をがんばる人とそうではない人の差が激しく、残業をする人ほど負担がかかっていました。残業が増えると辞める人が増え、人が足りなくなるからさらに残業が増える、という悪循環に陥っていました。

 そして、職場全体に共通するルールがなかったことも問題でした。上司が変わると、仕事の進め方や連絡系統がガラッと変わってしまいます。日々のミーティングの内容や、利用者さんの情報を共有するのが難しくなり、連絡ミスが増えました。前日の変更点を知らされず、理不尽に怒られたこともありました。

 この環境で働き続けるのは難しいと感じていたので転職を考え、父のガンを機に本格的に転職活動を始めることにしました。

- 現在は就労継続支援B型で相談支援員をされている石井さんですが、なぜA型からB型に移行しようと思ったのでしょうか?

 A型とB型の大きな違いは、利用者さんとの雇用契約があるかないか、です。A型の場合は雇用契約を結び、利用者さんの社会復帰や自立に重点を置いた支援をおこないます。一般企業に出向いて作業をおこなうので、時には決められたノルマを守るため、作業に追われることが多々ありました。

 B型は、利用者さんの障がいや健康状態に合わせて作業内容を気めることができるため、一人ひとりのペースに合わせた支援が可能です。私自身もマイペースな性格で、ノルマへの苦手意識があります。自分の性格を考えてもB型の方が向いているのではないかと思い、移行を考えました。

 いずれも働いてみてわかったことだったので、次の職場ではこういう「支援の違い」も意識して働こうと思いました。

仕事に人を当てはめない。人に合わせて仕事を選ぶドットラインの働き方

- 転職先としてドットラインを選んだ決め手についてお聞かせください

 求人サイトで千葉県の就労継続支援B型を調べていた時、どのサイトでもドットラインが上の方に掲載されていました。まず「20代、大活躍中」という言葉に惹かれました。以前の職場は年上の方ばかりでしたし、同年代がいるのは心強いと感じました。

 気になってウェブサイトを見たところ、企業理念やルールが明確に記載されていることに驚きました。就労継続支援の会社は簡易のウェブサイトしかないところも多く、実際に見学に行かないとわかりません。ドットラインは詳細にウェブサイトが作り込まれていて、見学に行かなくても実態が想像できそうでした。

 写真で見る職員も楽しそうに働いていて、職場の雰囲気もイメージが湧きました。明るくて勢いのある会社なのかなという印象で、ブラックな匂いは一切感じませんでした。(笑)面接も、人事の方がアットホームな雰囲気を作ってくださったので、何がなんでもドットラインで働きたいと思いました。

- 実際に入社してからの印象はいかがでしたか?

 ウェブサイトの印象そのままの明るい職場でした。上司や先輩は「なんでも相談してね」と常に気にかけてくださいます。年齢や立場に違いがあっても壁を感じることはありません。みんなで話し合ってより良い職場にしていく雰囲気がありました。

 残業が本当にまったくないことにも驚きました。ゆうきのまちでは、利用者さんの状態に合わせて請け負う仕事の量を調節しています。納期が長い仕事を意図的に選んでいることもあり、スタッフも利用者さんも決められた時間内で落ち着いて作業できます。さまざまな場面で前職との違いがあり、職場環境が整えられていることがわかりました。

 利用者さんの情報共有や役職の引き継ぎなど、ルールとして決められていることもありますが、話し合いを重ねることでできていく雰囲気も大切だと感じます。ミーティングを重ねる中で共通認識が生まれ、それが働きやすい職場づくりにつながっているのだと思います。

一人ひとりの課題に合わせた支援の実現を目指して

- ドットラインの就労支援事業で働いてみて、特に大きく感じた手応えはありますか?

 ドットラインの社風としても、B型の特性としても、利用者さんのペースに合わせて仕事ができるので、私が本当にやりたい支援が実現できていると感じています。それは特に、日々の声かけに表れているように思います。

 例えば、以前1ヶ月に2、3回しか働けない人がいました。鬱を患っていて、長時間働くことが困難な方でした。以前の職場だと、納期を気にして毎日の出勤を急かしてしまいましたが、今は利用者さんに合わせて納期や仕事量を決められます。「今日の調子はどうですか?」「午前中だけ働きにきて調子が悪くなったら帰ってもいいですよ」など、余裕をもって声をかけることができました。

 細かく様子を確認しながら、長い目で見守っていたところ、出勤の回数が増え、働ける時間も増えてきました。今は週に2回働けるようになっていて、自立に向けて着実に前進しています。「これまで仕事が楽しいと思えなかったけど、石井さんと一緒に働けるのはすごく楽しい」と言ってもらえたので本当に嬉しかったです。

 利用者さんからすれば、外に出たり職場に通ったりするだけでも勇気がいると思います。がんばって働いている姿を見て、私もがんばろうと励まされます。

- 最後に今後の目標を聞かせてください

 利用者さんの中には、社会と関わりを持つことに不安や恐怖を感じている人もいます。社会にはまだまだたくさんの課題があるなと痛感するところですね。だからこそ、一人ひとりに合った社会復帰の形を実現したいし、その人のいいところを伸ばせるように支援したいです。

 また、日々の仕事をがんばりながら、私自身もキャリアアップに挑戦したいと考えています。管理職になるにはサービス管理責任者の資格が必要なので、今はその勉強もがんばっています。

 ドットラインは次々と新しい事業を展開していて、キャリアアップのチャンスがたくさんあります。より多くの人にゆうきのまちの就労継続支援を届けられるように、私自身も成長していきたいです。

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