助けられる側から助ける側へ。地域密着型のドットラインで働く、作業療法士の挑戦

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児童発達支援・放課後等デイサービスをおこなう「かがやきのまち」で作業療法士として働く髙長谷さん。障がいを持つ子どもたちが自立した生活を送れるよう、身体と心の両面から支援をおこなっています。

 そんな髙長谷さんが作業療法士を目指したのは27歳の頃。それまで福祉とは全く別の分野で働いていた髙長谷さんに、人生を変える転機が訪れました。

 「作業療法士として子どもたちがその子らしい人生を送れるように手助けしたい」

 力強く語る髙長谷さんの背景にあるものとは? 作業療法士を目指した経緯や、ドットラインだからできる地域密着型の療育のやりがいなど、詳しく伺いました。

かがやきのまち 新千葉事業所 作業療法士 髙長谷彩香

福祉とは別の分野からの転職。27歳で作業療法士を目指す。

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作業療法士を目指すきっかけは、全治半年の交通事故。次は自分が誰かを助けたい

- 髙長谷さんは作業療法士になる前、さまざまな経験をされてきたと伺いました。まずは、これまでのキャリアを聞かせてください。

  一番初めの進路は舞台の照明スタッフを育成する専門学校でした。趣味で舞台を見にいくうちに、裏方の仕事に携わりたいと思うようになったからです。しかし、実際にやってみると想像以上に大変な仕事だったのでその道の就職は断念しました。

 その後は、若いうちしかできないことをやろうと思って原宿でアパレル店員をしたり、昔から大好きだったディズニーランドで働きたいと思ってキャストをしたりしていました。やってみたいと思ったらまずは飛び込むという性格で、興味の向くままになんでも挑戦していました。

- いろいろなことに挑戦していた中、交通事故にあったことが人生の転機になったと伺いました

 そうなんです。仕事の帰り道に交通事故に遭い、全治半年の大怪我を負いました。そこから三ヶ月間はリハビリテーション病院で入院生活を送っていました。

 当時私は契約社員として働いていたのですが、上司から「出勤できないなら仕事を一度やめてもらいたい」と言われました。「復帰したいなら、もう一度面接を受けて事情を伝えてほしい」と。怪我をして思うように体が動かせないことを考えると、復職も難しいのではないかと思いました。

 交通事故に遭って仕事を失った私は、新たに何かやりたいことも思い浮かびませんでした。そして、これからどうやって生活しようか、不安な入院生活を送っていたところで、作業療法士の先生と出会いました。

- どのような経緯で、ご自身でも作業療法士を目指すことになったのでしょう?

 リハビリテーション病院で出会った作業療法士の先生は年齢が近く、他愛ない話から悩み相談まで何でも話せる存在でした。しんどいはずのリハビリ生活も、おかげで楽しく乗り越えることができました。

 その方に「これから仕事どうしよう」と悩みをこぼした時、「人と一対一で深く関わることが好きな髙長谷さんには、作業療法士は向いてると思うよ」と言ってもらいました。いろんな話を聞いてもらっていたので、私としても納得でき、同じ職業を目指すことにしました。

 私のような経験をすることは滅多にないと思うので、本当に大きな人生の転機でしたね。素敵なスタッフさんにたくさんお世話になった分、今度は自分が誰かを助けたいと思いました。いつも親身になって話を聞いてくれて、楽しくリハビリが行えるようにプログラムを考えてくれた作業療法士さんには感謝しかありません。

地元千葉から広がる支援の輪。密なコミュニケーションで一人ひとりにあった療育を実現

- 資格をとって働いてみて、いかがでしたか?

 初めは入院していた病院に勤務しました。お世話になった作業療法士の方はすでに退職されていたのですが、作業療法士になれたと報告するととても喜んでくれました。職場のスタッフも自分のことを知っている方が多く、皆さん温かく迎えてくださいました。

 実際働いてみると、作業療法士の方が言ってくれた通り、自分に向いている仕事だと思いました。患者さんと深く関わり、その人らしい人生を送るお手伝いができるというのは、とてもやりがいがあります。入院した時はオムツを履いて寝たきりだった患者さんがリハビリを重ね、自力でトイレに行けるようになった時は本当に嬉しかったです。

 やがて経験を積むうちに、高齢者だけでなく子どもの支援もしたいと思うようになりました。作業療法士のさまざまな仕事を知っていく中で、子どもの先々の人生に貢献してみたいと考えるようになったからです。「子ども 作業療法士 リハビリ」で調べると、ほとんどが放課後等デイサービスのページだったので、転職を考え始めました。

- その転職先がドットラインだったわけですね。

 はい。千葉県の放課後等デイサービスを調べていた時に見つけたのが、ドットラインが運営する「かがやきのまち」でした。調べてみると、ドットラインは地元の千葉に密着して事業を展開しており、私が通っていた小学校もデイサービスの送迎先の中にありました。地元に近い企業だとわかって一気に親近感と安心感を覚えました。

 私自身、まずは地元から子どもたちに支援を届けていきたいと考えていたので、自分にピッタリの会社だと思えました。

 気になってかがやきのまちの見学に行ったところ、とても温かい雰囲気の教室でした。教室の壁一面に子どもたちが作った飾りが貼られていて、子どもたちの輪の中にスタッフも混ざって遊んでいました。みんなすごく楽しそうで、ここは遊びの中で療育を提供している施設なのだとわかりました。そんな環境で自分も働きたいと思い、入社を決めました。

- 実際に入社していかがでしたか?

 見学した時の印象そのままの教室でした。それぞれがコミュニケーションを大切にしている様子も、働くうちにたくさん見えてきました。スタッフが子どもやお互いのことを気にかけているからこそ、子どもたちが楽しく過ごせているのだと思いました。

 かがやきのまちでは、1日2回ミーティングを行っています。常に子どもたちの様子を共有し、ミーティング以外の時間でも子どもの療育の話をしています。作業療法士や保育士だけでなく、親御さんも含めて情報を共有しているから、より良い療育が届けられているのだと感じます。

 また、上司が積極的に挑戦を後押ししてくれる環境もありがたいです。私の教室では、遊びの中で療育をおこなうため、運動会やハロウィンパーティー、夏休みの遠足など、たくさんのイベントがあります。話し合う中で出てきたアイデアを提案すると、「前例のないことでも、まずやってみよう」と言ってくださるので、とても楽しく働けています。

一日一日の支援の積み重ねが、その子らしい人生に

- 作業療法士として、子どもたちの支援をする中で感じるやりがいを教えてください

 作業療法士の仕事は、子どもたちの様子を注意深く観察するところから始まります。なぜその動作ができないのか、原因を探ることが非常に重要です。試行錯誤した結果、子どもたちのできることが少しずつ増えていく瞬間は本当にやりがいを感じます。

 例えば、子どもの中には椅子に座ることが苦手な子もいます。そういう場面を見かけた時はまず、なぜ座れないのか、筋肉の使い方や姿勢など注意深く観察します。そして、原因を推測して椅子や机の高さを変えてみたり、姿勢を保つための筋肉を多く使う遊びをしてみたり、あらゆる観点で考えながら支援をおこないます。

 一つずつ試行錯誤を積み重ねた結果、親御さんから「学校で椅子に座っていられる時間が増えた」など報告いただくと、本当に嬉しくなりますね。ゆっくり一歩ずつの成長かもしれませんが、その子が自立した生活を送るために貢献できているのかなと感じます。

- 最後に、今後の展望を聞かせてください

 放課後等デイサービスの目的は、「その子らしい人生を送るために、子どもが自分でできることをひとつずつ増やすお手伝いをすること」です。

 子どもたちの変化は1日2日の出来事ではなく、半年1年と支援を続けた結果少しずつ現れるものです。今後も現場のスタッフとして子どもたちの一番近くで支援を届けたいと思っています。

 事故に遭い、仕事をなくした私に、人生を変えるきっかけをくれた作業療法士の方のように、私も子どもたちの人生を豊かにできるように、今できる支援をしっかり届けていきたいです。

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